誰もそれ(IT)のことを分かってくれない(2) | Pythonでなんか作ってみる

誰もそれ(IT)のことを分かってくれない(2)

続きです。一つの記事だとどうしても投稿できなかったので。


ITの仕事をずっとしていると、こうした恐ろしい状況に慣れてしまいかねませんが、IT産業以外に目を向けて見ましょう。私達ユーザーは、自動車を買う場合、その車がカタログ性能どおりに動かないということを心配する必要はありません。ましてや、納入された車のキーを回して、エンジンがかからないなんてことは想像もしませんし、実際そうしたことはまず起こらない。100万円で契約した車が、途中で200万円になったり、1000万円になったりするなんてことは考えもしませんし、そんなことは絶対にない。


日本車は比較的優秀だから例えに出されるのですが、カタログ性能どおりに動かないことがよくあってリコールが起きているように見えます。また、100万円で買った車で、事故を起こして1億円になることを想像しないのもどうかと思います。

え?事故を起こすのは運転手の責任?

実際、今のIT業界の能力でも、大抵の機能は思ったとおりに動くシステムは構築できると思います。しかし、ITシステムは各サブシステムが密接に関連しすぎていて(まさしくそれが『こんぴゅーた』を使う利点でもあるのですが)一部の機能が思いもしない動きをするために全体を駄目にしてしまいます。
そして、それを避けるという無謀な目標のために、設計が膨らみ、要求仕様が多岐にわたり、複雑性が爆発するのでしょう。


しかるに、あえて苦言を申し上げますが、現状ではIT産業のプロフェッショナリズムに疑問符を付けざるを得ません。我々から見たときに、経験が浅い、これではマネジャとは言えないという人がプロジェクトマネジメントをやっています。がっかりするくらいスキルのない人が平気で現場にやってくる。そもそも、ユーザーと要件をきちんと定義しようという気概も姿勢もないし、開発が始まっても現場の状況を把握できていない。


要するにそんなベンダに懲りずに発注しているのが、諸悪の根源なんではないでしょうか。
悪いと思うなら発注しない、プロフェッショナルはそれ相応の値段がすることを理解し、悪かろう安かろうは数売って打率を稼ぐ。

ITじゃないからって安心は出来ません。業者を甘やかせば、ビルだってエレベータだって品質は下がるのです。